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後継者不足による休廃業問題 東濃信用金庫と商工会議所が連携して事業承継を支援 岐阜県恵那市のすし店

中小企業の後継者不足による休廃業が全国的な問題となっている中、東濃信用金庫は商工...
すし店を営んできた林照男さん(左)と林さんのもとで働いてきた磯村勝彦さん

 中小企業の後継者不足による休廃業が全国的な問題となっている中、東濃信用金庫は商工会議所などと連携した事業承継支援に取り組んでいます。この支援による事業承継の第1号となった恵那市の店舗を取材してきました。

 長年、地域住民に親しまれている恵那市のすし店、美濃照寿庵。2024年6月に事業承継が実現しました。

 それまで店を営んでいたのが林照男さん82歳です。県内のすし業界の発展にも尽力してきた功績で、2014年には旭日双光章を受章しています。

 80歳を超える林さんにとって、店の存続は喫緊の課題でした。

 林さんは、東濃信用金庫に事業承継を相談。東濃信用金庫は、東濃や中濃地域の商工会議所や商工会と連携して、事業承継の支援に力を入れています。

 相談を受けて、第三者への、いわゆるM&Aなどを検討しますが、林さんのもとで働いてきた磯村勝彦さん59歳が、承継の候補者となりました。

 東濃信用金庫と恵那商工会議所は、事業計画の策定や創業にあたっての補助金申請などを全力で支援します。

※美濃照寿庵 磯村勝彦店長
 「自分の夢でもあった、やっぱり自分の店を持つというものが、こういう形で店を持てたので、それはそれですごく良かったなと思っています」

 磯村さんはこのように話した上で「自分ひとりでは事業承継は難しい。サポートのおかげだった」と振り返りました。

 また、経営を渡した林さんも、店の名前も従業員もそのまま譲り、「忙しい時はいつでも手伝う」と協力を惜しみません。

 帝国データバンク岐阜支店によりますと、去年の県内企業の後継者不在率は60.7%で、全国平均の53.9%を上回っています。

※東濃信用金庫 とうしん地域活力研究所 可知昌明副所長
 「廃業するのはもったいないですね。今ある資源を最大限にその次の跡継ぎっていうか、新しくやりたい人に継いでもらうのが大事だと思いますし、そこにみんな連携して取り組んでいくのが、今後の一番重要なことで、日本にとっても大きな課題だと思います」

 可知さんはこのように述べた上で、引き続き地域に密着した地域内の事業承継に意気込みます。

 事業承継に取り組む東濃信用金庫の挑戦はまだ始まったばかりです。

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