テレビ

美の精華

第4木曜 ごご6時10分~6時25分

第37回 書家 臼井千里



2020年4月23日 ごご6時10分~6時25分

漢字とかなによる近代詩文書から始まった書家・臼井千里(大垣市)の作品は、やがて文字の形を分解し、英語やバーコードといった記号をも取り込みながら、大胆にデフォルメされた抽象の世界へと広がってきた。伝統的な書や現代アートというジャンルの垣根を乗り越え、自由に行き来するかのような臼井作品の創作の秘密を聞く。

出演者

【出演】臼井千里(書家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第38回 陶作家 安藤雅信

  

2020年5月28日(木) ごご6時10分~6時25分

陶作家・安藤雅信(あんどうまさのぶ)が生み出す食器や茶器など、日常使いの焼物には、手仕事ならではの温もりがある。料理の種類を問わず使える定番の器類は、多くのファンを持つ。一方、大学で彫刻を学び現代美術作家としてスタートしている安藤は、アート作品も手掛ける。現代美術は、普段人が気付かないことを気付かせてくれるもので、自らのものづくりでは、空間の視覚化を強く意識するという。
古民家を移築したギャラリーと制作の現場を訪ね、安藤が模索してきた作品世界とはどのようなものなのかを聞く。

出演者

【出演】安藤雅信(陶作家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第39回 洋画家 傍島幹司


 

2020年6月25日(木) ごご6時10分~6時25分

洋画家・傍島幹司(そばじまみきじ)は、生まれ故郷の岐阜県関市の自然をテーマに多くの作品を生み出してきた。子供の頃に遊んだ川や森の風景を、自らの記憶と向き合いながら描き、穏やかな輝きに満ちた光の世界を表現する。近年は、フランス各地を巡り長期間に渡って現地に滞在しながら作品を制作する。色彩の画家とも呼ばれる傍島の作品世界はどのように生み出されるのかについて聞く。

出演者

【出演】傍島幹司(洋画家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第40回 陶作家 伊藤慶二


  

2020年7月23日(木) ごご6時10分~6時25分

岐阜県土岐市出身の陶作家・伊藤慶二が手掛ける造形物は、明確なメッセージが込められた哲学的で抽象性の高い作品群や、ユーモラスな具象作品など幅が広い。土の表情を生かした、独特のフォルムと線で形作られていることが特徴だ。様々な人物の表情を通して人間の有り様を問いかける代表作の一つが「面(つら)」シリーズで、あからさまな感情表現を消した表情が、見る物の想像力をかきたてる。アトリエを訪ね、伊藤作品の独特な表現は、どのように生み出されるのかを聞く。

出演者

【出演】伊藤慶二(陶作家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第41回 彫刻家 天野裕夫


  

2020年8月27日(木) ごご6時10分~6時25分

岐阜県瑞浪市出身の彫刻家・天野裕夫(あまのひろお)が生み出す作品世界は、実に独創的だ。SF映画に登場しそうなモンスターたちは、どこかノスタルジックでユーモラスな表情をも合わせ持つ。見る者は、そのエネルギッシュで奔放なイメージの塊をまえに、想像力が刺激される。小さい頃、母親に与えられた油粘土で夢中になって遊んだことが、彫刻家・天野の原点だ。生まれ故郷に創作の拠点を移した天野に、石や木など自然の素材が持つ形の力についてや、自らの創作哲学について聞く。

出演者

【出演】天野裕夫(彫刻家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第42回 彫刻家 林武史


  

2020年9月24日(木) ごご6時10分~6時25分

東京藝術大学の教授で彫刻家の林武史(岐阜市出身)が、岐阜県加茂郡白川町の森の中にスタジオを構えて、10年になる。近くにある広大な公園には、これまで制作してきた作品が展示され、存在感のある造形物が風景の一部となって、見る者の前に佇んでいる。林が手掛ける作品の特徴の一つが、地元の石を使うことだ。日本国内はもとより、海外で作品展を行う時も、現地の石を使って制作する。石と対話しながら作品を生み出すという林に、目指す彫刻芸術の姿について聞く。

出演者

【出演】林武史(彫刻家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第43回 日本画家 長谷川喜久


 

2020年10月22日(木) ごご6時10分~6時25分

日本画家・長谷川喜久(岐阜市)は大学で日本画を学んだ後、20~30代にかけて自己の内面を追求し、社会への不安や葛藤を投影した人物画を中心に作品を発表。若くしてその才能を認められた。大胆な構図と鮮やかな色使い、緻密に描き込まれた細部の描写が長谷川作品の特徴だ。近年は花や風景など多彩な題材を手掛け、独自の感性で今を切り取る作風が、新たな展開を見せている。天澤院(岐阜市寺町)本堂のふすま絵は、悠然と雲間から姿を現す2頭の龍を描きだすため富士山など各地でスケッチを重ね、使う墨にもこだわった大作だ。「描きたいものが色々ある」という長谷川に日本画の魅力について聞く。

出演者

【出演】長谷川喜久(日本画家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第44回 版画家 堀江良一


 

2020年11月26日(木) ごご6時10分~6時25分

版画家・堀江良一(美濃加茂市在住)の作品は、いくつもの版木を組み合わせた多版多色刷りと言われる製法で生み出される。代表作「弧のある風景」は、40年近く続くシリーズで、様々なバリエーションがある。堀江は高校の美術教員を勤めながら、版画作品のほか油絵も制作してきた。綿密に計算し構築していく版画と、自由に絵具を塗り重ねて描いていく油絵は、どちらも自分にとって大事な表現だと言う。自宅のアトリエで、表現することの意味について聞く。

出演者

【出演】堀江良一(版画家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第45回 陶芸家 安藤日出武


 

2020年12月24日(木) ごご6時10分~6時25分

存在感のある黄瀬戸で知られる陶芸家・安藤日出武(あんどうひでたけ)は80歳を超えた今も、およそ6昼夜続く窯焚き作業のほとんどを一人で行う。陶芸家を志し、自らの作品世界を生み出すため可児市久々利の山中に穴窯を築き、土や釉薬、焼き方などについて、長い年月をかけて少しずつ研究と改良を重ねてきた。自分の中では新しいものが良いものだと話す安藤に、「やきもの」作りに込める思いを聞く。

出演者

【出演】安藤日出武(陶芸家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館)

第46回 アーティスト 日比野克彦


 

2021年1月28日(木)ごご6時10分~6時25分

1980年代にダンボールを使った立体作品で一躍時代の寵児となったアーティスト・日比野克彦(岐阜市)は、その後も幅広い分野で多彩な創作活動を続けてきた。毎年冬至の夜に、1月から12月までの数字をかたどった巨大な行灯が清流・長良川の川面を照らし出すアートイベント「こよみのよぶね」は、アートがもつ力を多くの人に伝えたいという日比野の思いから、ワークショップ形式で続けられてきた。先月行われたイベント会場で日比野に密着し、自身が目指すアートとは何かを聞いた。

出演者

【出演】日比野克彦(アーティスト)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館副館長)

第47回 彫刻家 長澤知明


 

2021年2月25日(木)ごご6時10分~6時25分

岐阜県大垣市の彫刻家・長澤知明は、高校の美術教師を勤めながら作品を作り続けてきた。鉄とコンクリートを使ったその作品の多くは都市をテーマにしたものだ。長澤には「極小美術館」(岐阜県池田町)の館長という顔もある。若手作家たちに作品発表の場を提供したいという思いから教員を退職後、私財を投じて整備した。生涯作家でありたいという長澤に、創作と美術館の運営を続けてきた思いを聞く。

出演者

【出演】長澤知明(彫刻家)

第48回 美術作家 大巻伸嗣


 

2021年3月25日(木) ごご6時10分~6時25分

美術作家・大巻伸嗣(岐阜市出身)は、大胆な手法で空間を非日常的な世界へと変化させ、見る者の感覚を呼び覚ますようなインスタレーション作品を発表してきた。海外からも高い評価を受け、去年9月には台湾で個展を開いた。存在の危うさというテーマに向き合いながら創作を続ける大巻に、作品に込める思いを聞く。

出演者

【出演】大巻伸嗣(美術作家)
【聞き手】正村美里(岐阜県美術館副館長)

番組概要

岐阜ゆかりの作家たちの内なる美を求める制作のエネルギーや、創造の原点を探りながら作家たちが求め続けた美の精華(真髄)と独自の表現に迫る番組。

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